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本人確認書類が届きません

料金のお支払いがないため契約解除になったお客様。

ご事情は様々あると思います。
けれども、何度も催促してお支払いされていない事実がある以上、会社としては契約維持が困難であるという判断をせざるを得ません。

さて。
今回は、契約解除になった方の娘様から新たなご注文を頂きました。

以前の契約番号を仰って頂けたので、すべてのお支払いが完了していることも確認ができました。
今回のご名義はお申込者様である娘様がなさるそうです。
お申込みいただき、ありがとうございます。

ひと通り手続きの流れを説明しましたが、娘さんはどうやら慣れているようです。
いちいち項目に対して質問してきたりはせずに「はいはい」と聞いています。
初めて新しい会社で契約するとき、少しは戸惑ったりする気配があるんですが、この方にはまったくない。

もしかして他社でも母親名義の契約が解除されて、この方が手続きされてるんでしょうか。

訝しみつつ、他社の契約を調べることはできません。
過去に娘さん名義の契約が本当になかったのかも、今すぐ確認することはできません。
ひとまず本人確認書のFAXをして頂くように依頼します。

新しく契約する場合、決めなければいけない内容は結構あります。
しかしとても忙しい方のようです。
私が説明していると「全部同じにして! 前と同じでいいから! それも同じでいいから!」と割り込んできます。
さすがに「支払いも前の口座と同じでいいから!」と言われては「無理です」と答えざるを得ません。

新しい契約者に既存の契約者と同じ説明をしていたのでは、認識が異なる可能性があり、後々クレーム発展もあり得ます。
そのため1つずつ説明しながらサービスの取捨選択を説明していたのですが、全然話が噛み合いません。

このまま話を続けても不満が溜まるだけだろう。

そう判断し、現時点で確認しておかなければいけない、最低限の部分だけをヒアリングさせていただきました。
他の部分は次のステップに進んだときにしましょう。
そこでも時間がないと言われる可能性がありますが、少しずつ聞き取っていければいいです。
もしくは、時間が取れる時に折り返しを行うか。
ひとまず今すべての確認が取れないことだけは決定しているようなので、早々に諦めました。

彼女が今回の電話で聞きたかった一番の目的は「いつから利用できるのか」ということ。
私はカレンダーを確認しながら暫定の利用開始日を説明しました。
続けて本人確認資料のFAX依頼をしようとしましたが、それだけで切られそうな雰囲気だったので、慌てて「お待ちください」とストップ。
本日中に届かない場合、日程が延びていくことを説明します。

しかし娘さんは「今日中に送ればいいんでしょ?」と軽く嫌味な感じの返答をしてきました。
確かに、今日中に確認できれば、別部署への工事指示書とか契約書類の印刷依頼とか、手続きは通常のスケジュールで間に合います。

契約解除になったのは彼女の母親ですから、契約上、彼女自身に不審はありません。
けれど……お話させて頂いた限り、全面的に信頼できるかどうかについては難しいですね。
お客様を疑ってしまうのは厳禁ですけど。

次の日。
娘さんの本人確認書類はまったく来ません。
どうしたんでしょう。
昨日の電話では今すぐに送る感じで言っていたのに。

彼女の携帯に連絡を入れてみましたが、留守番電話にもならず、呼び出し音が鳴るだけでした。

出ないなら仕方ない。
書類が届かなければ日程がずれていくことは説明しています。
契約しないことになったのかもしれないし、または別の事情が入ったのかもしれません。
連絡が取れないことには状況把握もできません。

その日、何度か連絡しましたが繋がりませんでした。

更に次の日。
出勤してみても、さっぱり届く気配がありません。

だがしかし。
そんな私の元へ「ココル様へ」と記載された、真っ黒になったFAXが届きました。

中身が分かりません。
でも、最近FAXを貰う約束をしていたのはあの人だけです。

念のため彼女に連絡。
でも、やっぱり電話に出て頂けませんでした。

携帯なので着信履歴は残る。
彼女も申込を理解しているわけですから、着履があれば「何だろう?」と思うはず。
きっと手すき時間に連絡をくれるでしょう。

そう思っていましたが、その日もまた、彼女とお話することはできませんでした。

そこから2日後。
もしかして電話番号を間違えてるんだろうか、と思うぐらい繋がりません。
でも、留守電になりました。
ひとまず名乗り、後で連絡します、という短い言葉だけ吹込みして終了。
どれぐらい長く吹き込めるか分からないし、留守電って苦手なんですよね。

その日もまた申込者とお話することもできず、1日が終了しました。

もうそろそろ1週間経つ頃でしょうか。
ようやく、申込者から連絡が来たようです。

タイミング悪く私がお昼休憩に入っているときのことだったようで、席に戻るとメモが残してありました。
彼女もお昼休みの時間を使って、ようやく電話を掛けてこれたらしいです。
彼女の仕事が終わるのは、私の業務終了時間を大幅に超えたぐらいの時間。
全然お話ができません。
しかも悪いことに、彼女は一番最初に伝えた利用日をそのまま信じているようです。

……あの。
一応、私がちゃんと書類を受け取ったかどうか、確認してから思い込んでほしいと思うんですけど。
無理です、お客様。

唯一お昼に応対できた人から聞くと、彼女は既に書類を送ったつもりだったらしい。
じゃあやっぱりあの真っ黒いのが娘さんのFAXだった、ってことですね。

今日はもう連絡取るのは難しいので、明日になります。

憂鬱な気分で次の日を迎え……お昼休憩中、同僚が慌てて私を呼びに来ました。
保留で待たせているお客様がいるから至急戻ってきて! と。

脳裏をよぎったのは娘さん。
どうやら正解です。
しかも彼女は最初に伝えていた利用開始日を「明日」と思い込んだままでした。
誰か1人ぐらい訂正しておいて欲しい。

いや、訂正したけど聞かなかったのかな、彼女。
自分は送ったんだから、と。
でもあの黒いFAXが送られてきたのは申込から3日目でしたよね。

電話に出て、書類の確認ができていないことを説明。
すると彼女は「はぁ!?」とでっかい声。
そりゃ、明日から利用できると思っていれば、そういう反応も理解できます。
でもね、今回の貴方の行動はどうしても理解できないんです。

「つまり明日から利用できないって事ですか!?」
「はい。ご契約者様の確認資料を頂いてからのお手続きですので――」
「でも私、何度もそちらに連絡したんですよ。でもお昼とか、夜だと別の県に繋がったりして、全然連絡取れなくて」
「申し訳ありません。私からも何度もお客様へ連絡したのですが……」
「私、昨日出た方にもお話したんですよ。そうしたら担当者じゃないと詳細は分からないから受付出来ないって。聞いてませんか!?」
「伺っております。その後、私からもお客様へ連絡しており」
「ええ。私も着歴見て何度も電話したんです。でもそうだったら留守電にも入れておいてくれてたら良かったじゃないですか。それだったらこんなに工事日が遅れる事もなかったんでしょう?」
「ええ、そうですね……」
「ああもうっ。つまり、明日からの利用は出来ないっていう事なんですね?」
「ええ。弊社からお伺いしてお立会いが必要になりますので、お客様のご都合も――」
「ならどうすればいいですか、またFAX送ればいいんですか。今からだと工事はいつになるんですか」
「そうですね……FAXはイツ頃送信できますか?」
「仕事が終わってからになるので六時半になります」

私の業務は5時までです。
お客様もご存じのはず。
でも、今回は連絡の行き違いがあってご迷惑をおかけしているのは事実。
上司に報告して残業しましょう。

「分かりました、では、少々確認させて下さいね。ご契約者様の漢字をどのようにお書きするか、教えていただけますか?」
「○○です」
「生年月日もお願い出来ますか」
「○○です。……あの。本人確認の送信って、私表紙だけ送ったんですけど、生年月日の場所とかもコピーして送らないといけないんですか」
「はい。名前と生年月日、住所を確認しますので」

そう伝えると、思いっきり大きな溜息つかれました。

うーん、これは私が悪いか?
前とまったく同じでいい、という言葉で急かされ、そういう細かい説明は思いきり省いて受付していましたから。
でもさ、運転免許証を送ってくるらしいんだけど、生年月日とか住所とかは普通に入ってるよね。コピー取るとき。
「表紙だけ」って、逆に何を送ろうとしてたのか、凄く気になるんだけど。

まあお客様に責任転嫁するわけにもいかないし。
全面的に私が悪いですね、はい。
再送信を待つことにします。

営業時間が終わった17時過ぎ。
そろそろ彼女から申告してもらった時間帯です。
FAX機に向かうと――見事に黒く塗りつぶされた用紙が印刷されていました。

ええと。もしかして会社のFAXが壊れてるんじゃないでしょうか。

そう思いましたが至って正常です。
だって、他の方からのFAXはきちんと届いてますから。

仕方ないので連絡しなければ。
有難いことに上司も帰らず側にいてくれるようです。
いつか手のかからない良い子になりたいと思います。

「お客様、只今、ご本人確認をFAXして下さったかと思うんですが――」
「ええ、しました」
「ええとですね、大変申し訳ないのですが、こちら真っ黒になっておりまして」
「はぁ!?」
「申し訳ありません。もう一度送信願えますか?」
「なんで!? 私、コピーしたのはシッカリ綺麗に映ってるのよ!? 今回は少し薄目にしてFAXして――郵送します。その方が早いです」
 お客様、自己完結。
「分かりました。お手数お掛けして申し訳ありません」
「どこに送ればいいですか」
「はい、住所申し上げますね。メモのご用意宜しいですか? ○○○……」
「はっ!? 市内なんですか!? なら持って行ったほうが早かったじゃないですか! 私、××なのかと思ってましたよ!?」

一応、この職場で電話出てる人は最初の名乗りに皆『○○』って市名を付けています。
彼女がなぜそんな勘違いしているのかは分かりません。
追究しても無意味でしょう。

「窓口に持ってきて頂けるならそれが一番早いのですが。窓口に来店されますか?」
「私××なのかと思い込んでたんですよ!? 早く言って下さい! それならこんなに工事日のロスも無かった訳でしょう!?」

執拗にそこを突いて来ようとする彼女。
ちょっとだけ、クレーマーな匂いもします。
なるべく刺激しないようにしましょう。

「ご持参いただけるのでしょうか」
「いいです。郵送にしますから」

やっぱり文句を言いたいがための話かな。
郵送先の住所を伝えたあとも、手続きの手際の悪さとか、受付の管理体制とか、FAX機材に対してとか、文句が延々と続きました。
10分ぐらい。
忙しいんじゃなかったのかな、と思ったけど、お仕事終わったからもういいのか。

少し訳ありなお客様との対応は、いつも以上にストレスが溜まります。

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