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漢字の聞き取り方

声だけで受付する仕事で困るのは、漢字の書き方です。

窓口やWEB受付だったらお客様に記入して貰えればいいですが、電話はすべて受付者が処理を行います。
そのため、お客様に届く郵送物に誤記がないように色々工夫をしています。

私が新人だった頃に、以下のようなやり取りがありました。

選挙で使うサービスのお申込みを受付しました。
請求書の宛名をどうするか聞いたときに「〇〇コウエンカイ事務所でお願いします」と言われました。
無知だった私は、選挙だから何か講演でもするのかな、と考えて受付終了。

この時は「講演会事務所」で手続きを進めていましたが、後で上司に指摘されました。
「講演会じゃなく後援会」。

聞いた瞬間、目から鱗でした。
本当ですね。

今回のお申込みの最終確認をするためお客様に連絡し、申込内容をすべて伝えます。
ここで漢字の書き方も確認。
上司の言う通り「講演会」ではなく「後援会」が正しかった。

以降はどんなに常識的な内容であっても認識の齟齬がないように、必ず確認をするようにしています。

漢字の書き方を聞き取りするとき、よくある困りごとが「さいとう」です。
ご存じの通り「さいとう」には色んな漢字があります。

斉藤・斎藤・齊藤・齋藤

私はまずお客様に聞いてしまいます。
「さいとう様のサイの字はどのようにお書きしますか?」と。

説明に慣れている方はすらすらっと答えてくれるので、その通りに当てはめていけばいいだけです。
でも「え~っと」と言葉に詰まる方には、こちらから投げかけます。

一番多い確認の仕方は「いくつか種類がある中で簡単な方のサイですか? 難しい方のサイですか?」と。
そこから「示すが入りますか?」とか「刀は入りますか?」とか、絞り込んでいきます。
最終的な確認の時には、聞き取りしたときの説明とは別の言い方をするように心がけています。
「済みのサンズイがないサイですね」とか「刀にYが入って、示すがないサイですね」とか。

「さいとう様のサイの字はどのようにお書きしますか?」と聞くとすべてを面倒がって「本当は違うけど一番簡単な斉藤でいいよ。届くからいいよ」とか言ってくるおっちゃんもいます。
私は正式な名前で届けたいので必ず聞き取りするようにしていますが、おっちゃんは他社にもそれで通って来たんですかね。

他の受付者は「画数が多い方ですか? 少ない方ですか?」という聞き方もしているみたいです。
それもいいですね。

最初からダイレクトに「簡単な方のサイですか?」と聞けばいいんじゃないかと言う受付者もいましたが、それだとサイの字が「才」「西」「妻」などだった時に失礼かと思いますので、やっぱりまずは「どのようにお書きしますか?」と聞き取りするのがベストかと思います。

そしてサイの字だけで安心できないのがさいとう様の怖いところ。
サイだけしっかり確認してたら実はトウの字が「藤」じゃなく「東」だった、ということもありますね。

他の受付者の応対を聞いていたときに、こんなこともありました。

「お客様のリュウの字はどのようにお書きしますか?
 ああ、立が入る……ドラゴンですね。
 西洋の竜ですか? 東洋の龍ですか?」

マニアック過ぎる聞き取りに笑いました。

「恐竜の竜ですか? 月が入る、難しい方の龍ですか?」が私の中でのベストです。

あとは単純なミスなんですが、こんなのもありました。

「真美」様の説明時に「写真の真に、美しいと書いて、マミ様ですね」と言いたかったんだと思いますが、「写真の写に美しいと書いて、マミ様ですね」と説明していて、メモにも「写美」と書いていて、それじゃあシャミ様だよ、と後ろで1人ツッコミ入れて笑いました。
応対が終わる前に、受付者にはちゃんと訂正して貰いました。

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